特別支給の老齢厚生年金とは?【2026年版】65歳以上の男性・60歳以上の女性は必見!もらい忘れに注意

こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。

年金は65歳から、と思っていませんか?
実は、生まれた年によっては、65歳より前にもらえる年金があります。
それが「特別支給の老齢厚生年金」です。

名前が長くて難しそうですが、大事なことは3つだけです。

  • 対象になる人が決まっている
  • 自分で請求しないと、もらえない
  • 待っていても、金額は増えない
  • 5年たつと、もらえなくなる

この年金は、意外と知られていません。
「そんな年金があるなんて、知らなかった」という人もいれば、年金請求書が届いても、そのままほったらかしにしている人もいます。
さらに、5年たつと、もらう権利が消えてしまうことを知らない人も、少なくありません。

この記事では、自分が対象かどうかと、もらうための手続きを、図を使ってやさしくお話しします。

目次

【2026年10月時点】この記事を読んでほしい人

  • 女性:いま60歳以上で、昭和41年(1966年)4月1日以前に生まれた人
    とくに、いま60歳〜64歳の人は、これから請求する時期です
  • 男性:いま65歳以上で、昭和36年(1961年)4月1日以前に生まれた人
    男性は、もう全員がもらう時期を過ぎています。でも、請求していない人は、5年以内の分をさかのぼって受け取れます。また、「もらっていない」と思っていても、実は働いていて止まっていただけ、ということもあります

※年齢は2026年10月時点です。同じ年齢でも、生まれた日によっては対象外になるので、生まれた日で確かめてください。

ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

特別支給の老齢厚生年金ってなに?

年金は、普通は65歳からもらいます。
でも、昔は60歳からもらえる時代がありました。

それを65歳からに変えるとき、急に変わると困る人がいるので、少しずつ遅らせることにしました。
その「移り変わりの間」にもらえるのが、特別支給の老齢厚生年金です。

  • 65歳より前:特別支給の老齢厚生年金
  • 65歳から:普通の年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)

つまり、65歳より前に、年金を少し先にもらえるしくみです。
65歳になると、普通の年金に切りかわります。

自分は対象?生まれた日でチェック

もらえるかどうかは、生まれた日と性別で決まります。

  • 男性:昭和36年(1961年)4月1日までに生まれた人
  • 女性:昭和41年(1966年)4月1日までに生まれた人

男性で対象になる人は、もう全員が65歳を過ぎています。
いま、これからもらう人の多くは、60代前半の女性です。

女性の場合、もらい始める年齢は、生まれた日によって変わります。

  • 昭和35年(1960年)4月2日〜昭和37年(1962年)4月1日生まれ:62歳から
  • 昭和37年(1962年)4月2日〜昭和39年(1964年)4月1日生まれ:63歳から
  • 昭和39年(1964年)4月2日〜昭和41年(1966年)4月1日生まれ:64歳から

昭和41年(1966年)4月2日以降に生まれた人は、男性も女性も対象ではありません。65歳からもらいます。

もらうための条件

生まれた日のほかにも、条件があります。
次のすべてにあてはまる人が、もらえます。

  1. 生まれた日が、上の範囲に入っている
  2. 年金に入っていた期間が、合計で10年以上ある
  3. 会社などで、厚生年金に1年以上入っていた
  4. もらい始める年齢になった

ポイントは、3つ目の「厚生年金に1年以上」です。
いまは専業主婦の人でも、若いころに会社で1年以上働いていれば、もらえる可能性があります。

請求しないと、もらえない

ここが、この記事で一番大事なところです。
特別支給の老齢厚生年金は、自分で請求しないと、もらえません。

  1. もらい始める年齢になる3か月前に、日本年金機構から「年金請求書」が届きます
  2. もらい始める年齢になったら(誕生日の前日から)、年金請求書を出します
  3. 出す先は、近くの年金事務所などです
  4. 審査が終わると、年金が振り込まれるようになります

年金請求書には、必要な書類(戸籍や通帳のコピーなど)を一緒に付けます。
何が必要かは、届いた書類に書いてあります。分からないときは、年金事務所で相談できます。

請求しても、65歳からの年金は繰り下げられる

「特別支給の老齢厚生年金を請求すると、65歳からの年金を繰り下げられなくなるのでは?」
そう心配して、請求しない人がいます。

でも、それは勘違いです。

  • 特別支給の老齢厚生年金を請求しても、65歳からの年金は、繰り下げられます
  • 特別支給の老齢厚生年金そのものは、繰り下げできません。待っていても、金額は増えません

つまり、請求しないと、損をするだけなのです。
もらえる人は、忘れずに請求しましょう。

なお、65歳になると、もう一度、年金請求書(ハガキ)が届きます。
65歳からの年金を繰り下げたいときは、このハガキで手続きをします。

繰り上げ・繰り下げについては、こちらの記事で詳しくお話ししています。

→ 年金は何歳から受け取る?繰り上げ・繰り下げを図でやさしく解説

働いていると、減ることがある

60代前半は、まだ働いている人も多いですね。
働きながらもらう場合や、仕事をやめた場合には、気をつけたいことがあります。

お給料が多いと、減ることがある

会社で厚生年金に入って働きながらもらう場合、お給料と年金の合計が多いと、年金が減ることがあります。
これを「在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)」といいます。

2026年4月からは、お給料(ボーナスもふくめて1か月あたりにならした額)と年金の合計が、1か月65万円を超えると、超えた分の半分が減らされます。
多くの人は、この金額までいかないので、心配しすぎなくても大丈夫です。

でも、以前は、このしくみがもっときびしかったのです。
2022年3月までは、60代前半の人は、お給料と年金の合計が1か月28万円を超えると、年金が減らされていました。
そのため、働きながら、年金が全部止まっていた人もたくさんいます。

「もらっていない」と思っていても、実は手続き済みのことも

とくに男性は、60代前半も会社で働き続けていた人が多いですね。
そのため、こんなことがよくあります。

  1. 年金請求書は、ちゃんと出していた
  2. でも、お給料が多かったので、年金が全部止まっていた
  3. 振り込みがないので、「自分はもらっていない」「請求していない」と思いこんでいる

この場合は、「もらい忘れ」ではありません。
お給料が多くて止まっていた分は、あとから請求しても、受け取ることはできません。

自分はどちらなのか、次の方法で確かめてみましょう。

  • 手続きのあとに届いた「年金証書」や「年金決定通知書」があるか見る
  • 通知に「支給停止」と書かれていないか見る
  • ねんきんネットや年金事務所で、これまでの記録を確かめる

失業手当をもらう間は、止まる

仕事をやめて、ハローワークで失業手当(雇用保険の基本手当)をもらう手続きをすると、その間、特別支給の老齢厚生年金は全額止まります。
両方を一緒にもらうことはできません。どちらが多いか、くらべて考えましょう。

もらい忘れていたら?5年分までさかのぼれる

「対象だったのに、請求していなかった!」
そんな人も、あきらめないでください。

特別支給の老齢厚生年金は、さかのぼって5年分まで、まとめて受け取れます。
でも、5年より前の分は、もらえなくなります。
これを「時効(じこう)」といいます。5年を過ぎた分は、あとから請求しても、戻ってきません。

「そのうち手続きしよう」と思っているうちに、1か月ごとに、もらえるはずのお金が消えていきます。

65歳を過ぎた人でも、5年以内の分は受け取れます。
「もしかしたら」と思ったら、早めに年金事務所に相談しましょう。

まとめ

  • 特別支給の老齢厚生年金は、65歳より前にもらえる年金
  • 対象は、男性は昭和36年4月1日まで、女性は昭和41年4月1日までに生まれた人
  • いま、これからもらう人の多くは、60代前半の女性。62歳〜64歳からもらえる
  • 厚生年金に1年以上入っていたことも条件
  • 自分で請求しないと、もらえない。3か月前に年金請求書が届く
  • 請求しても、65歳からの年金は繰り下げられる。特別支給の分は待っても増えない
  • 働きながらだと減ることがある。失業手当をもらう間は止まる
  • 「もらっていない」と思っていても、働いていて止まっていただけのことも。通知や記録で確かめる
  • もらい忘れたら、5年分までさかのぼれる。5年を過ぎた分は時効で消えるので、早めに相談を

年金請求書が届いたら、しまいこまずに、早めに手続きをしてくださいね。
ねんきん定期便の金額の表にも、特別支給の老齢厚生年金の欄があります。見方は、こちらの記事でお話ししています。

→ ねんきん定期便、50代からはここを見る!

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