【50代・60代】今さら聞けないiDeCo(イデコ)のしくみ|年末調整で掛金を引いてもらう方法と、2026年12月からの変更

iDeCo(イデコ) 今さら聞けないしくみと年末調整の手続き

こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。

「iDeCo(イデコ)って、よく聞くけど、そもそも何?」
「イデコの掛金は、年末調整でどうすればいいの?」
「50代・60代からでも、入れるの?」

こんなふうに思ったことはありませんか。

知らなくても、恥ずかしいことではありません。この記事で、いっしょに確かめていきましょう。

いまの時期に、特に気をつけたいのは年末調整です。
会社で働いていて、イデコの掛金を自分の口座から払っている人は、年末調整で掛金を所得から引いてもらうために、届いた証明書を年末調整の書類につけて出す必要があります。

この記事では、イデコを「そもそも何?」から、年末調整での手続き、2026年12月からの変更まで、公式の資料をもとに、やさしくお話しします。

目次

【2026年10月時点】この記事を読んでほしい人

  • イデコって、そもそも何?と思っている人
  • 会社で働いていて、イデコの掛金を払っている人(年末調整の手続き)
  • 60代から始めても意味があるの?と思っている人
  • 2026年12月から、何が変わるのか知りたい人

ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を読んでほしい人のチェックリスト

ひとつでもあてはまれば、イデコのしくみを確かめておきましょう。

そもそも、イデコってなに?

自分で掛金を出して、自分で運用する年金

iDeCo(イデコ)は、正式には「個人型確定拠出年金(こじんがた かくていきょしゅつねんきん)」といいます。

イデコは、自分で出した掛金を、自分で運用して、老後のためのお金をつくる年金制度です。
国民年金や厚生年金とは別の、入るかどうかを自分で決める年金です。

  • 自分で申し込み、掛金を出します
  • 自分で運用の方法(運用商品)を選びます
  • 掛金と、運用で増えた分(運用益)の合計を、あとで受け取ります

原則として、60歳までは引き出せない

イデコは、老後のための年金制度です。
そのため、原則として60歳になるまでは、お金を引き出すことができません。

受け取れる金額は、運用によって変わる

イデコは、将来受け取れる金額が、はじめから決まっているわけではありません。
受け取る金額は、運用の成績によって変わります。

運用商品には、「元本確保型」の商品もありますが、投資信託などの商品は、元本(出したお金)を下回ることもあります。
また、手数料がかかります(金融機関によってちがいます)。

運用商品は、自分で選びます。イデコの窓口となる金融機関(運営管理機関)は、商品の説明はしますが、特定の商品をすすめることはできません。

自分で掛金を出して自分で運用するイデコのしくみ

自分で掛金を出して、自分で運用し、原則60歳以降に受け取ります。

3つの税金のメリット

イデコには、税金が安くなるしくみが3つあります。

① 掛金が、全部「所得控除」になる

イデコで払った掛金は、全額が所得から引かれます(小規模企業共済等掛金控除)。
所得から引かれる分、所得税と住民税が安くなります。

iDeCo公式サイトでは、次のような例をあげています。

  • 毎月の掛金が 1万円(1年で12万円)
  • 所得税が10%、住民税が10%の人なら
  • 1年で 2.4万円、税金が安くなる

② 運用で増えた分に、税金がかからない

ふつう、金融商品で増えたお金には、税金(20.315%)がかかります。
イデコでは、運用で増えた分に税金がかからず、そのまま運用を続けられます。

③ 受け取るときにも、控除がある

イデコは、受け取るときにも、税金を計算するときの控除があります。

  • 年金として受け取る → 「公的年金等控除」の対象
  • 一時金(まとめて)受け取る → 「退職所得控除」の対象

所得税や住民税がかからない人は、①のメリットはない

ひとつ大事な注意があります。
課税所得(税金がかかる所得)がない人は、掛金の所得控除は受けられません。

また、所得控除は、イデコに入っている本人の所得からだけ引かれます。夫や妻の所得からは引かれません。

イデコの3つの税金のメリット

掛金・運用益・受け取るとき、3つの場面で税金のメリットがあります。

年末調整で、イデコの掛金を引いてもらうには

会社員・公務員は、払い方で手続きが変わる

会社員や公務員の人は、イデコの掛金の払い方で、年末調整の手続きが変わります。

掛金の払い方年末調整の手続き
給料から引かれている(事業主払込)自分での手続きはいらない
自分の口座から引き落とされている(個人払込)証明書を、年末調整の書類につけて会社に出す

給料から掛金が引かれている人は、会社が、掛金を引いたあとの給料で税金を計算しています。そのため、自分で申告する手続きはいりません。

掛金の払い方で変わる年末調整の手続き

自分の口座から払っている人は、証明書を年末調整の書類につけて出します。

自分の口座から払っている人の手続き

自分の口座から掛金を払っている人は、次のように手続きをします。

  1. 国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」(ハガキ)を用意する
  2. 会社から渡される「給与所得者の保険料控除申告書」の、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に、証明書の「合計金額」を書く
  3. 証明書をつけて、会社に出す

会社が電子データでの年末調整に対応している場合は、ハガキのかわりに電子データを使える場合もあります。くわしくは、会社の年末調整の担当にたずねてください。

証明書は、いつ届く?

iDeCo公式サイトによると、証明書(ハガキ・電子データ)は、例年10月下旬に発行されます。

  • 対象は、その年の1月〜9月に掛金を払った人
  • 書かれている金額は、1月〜9月に払った金額と、10月〜12月に払う予定の金額の合計

10月にはじめて掛金を払った人などは、例年11月下旬などに、追加で発行されます。

証明書が見つからないときや、再発行してほしいときは、イデコに入ったときの金融機関(運営管理機関)に申し出ます。

確定申告でも、控除を受けられる

国税庁の説明では、イデコの掛金の控除は、年末調整の書類のほか、確定申告書でも受けられます。確定申告のときも、証明書をつけるか、見せる必要があります。

自営業の人・専業主婦(夫)の人は、確定申告で

国民年金の第1号被保険者(自営業の人など)、第3号被保険者(会社員・公務員に扶養されている夫・妻)、国民年金に任意加入している人は、確定申告で、掛金の控除を受けます。
証明書の「合計金額」を、確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に書き、証明書をつけて申告します。

(年金をもらっている人の確定申告については、年金をもらっている人の確定申告の記事でお話ししています。60歳をすぎて会社で働いている方の年末調整は、60歳をすぎて働く人の年末調整の記事でお話ししています。)

50代・60代は、イデコに入れる?

いまのルール(2026年11月まで)

いまのルールでは、イデコに入れるのは、国民年金の次の人たちです。

入れる人どんな人?
第1号加入者20歳以上60歳未満の自営業の人とその家族、フリーランス、学生など
第2号加入者会社員・公務員など(厚生年金に入っている人)
第3号加入者会社員・公務員に扶養されている、20歳以上60歳未満の夫・妻
第4号加入者国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人など

ただし、次の人は、イデコに入れません。

  • イデコの老齢給付金を、受け取っている人・受け取ったことがある人
  • 老齢基礎年金、または特別支給の老齢厚生年金を、繰り上げてもらっている人

また、会社員・公務員でも、65歳以上で、老齢年金をもらう資格がある人は、第2号加入者に入りません。

2026年12月から、70歳未満まで入れるように

2026年12月1日から、イデコに入れる年齢が、65歳未満から70歳未満に引き上げられます。

国民年金の被保険者でなくなったあとも、一定の条件にあてはまれば、働き方にかかわらず、70歳になるまでイデコに入って掛金を出せるようになります。

対象になるのは、次の①〜③のどれかにあてはまる人です。

  • ① イデコの加入者
  • ② イデコの運用指図者(掛金は出さずに、運用だけを続けている人)
  • ③ 企業年金から、イデコにお金を移す人

そのうえで、老齢基礎年金やイデコの老齢給付金を受け取っていないこと、マッチング拠出(会社の企業型確定拠出年金で、会社の掛金に自分で上乗せすること)をしていないことが条件です。

また、経過措置として、2029年11月末までは、①〜③にあてはまらない60歳以上70歳未満の人も、新しくイデコに入ることができます。

2026年12月から70歳未満まで入れるように

2026年12月から、70歳未満まで入れるようになります(条件あり)。

掛金の上限も、引き上げられる

2026年12月からは、毎月の掛金の上限も引き上げられます。

  • 会社員・公務員など:企業年金があるかどうかのちがいがなくなり、企業年金などと合わせた上限が月6.2万円に。たとえば、勤め先に企業年金がない会社員は、月2.3万円から6.2万円に引き上げられます
  • 自営業の人など:国民年金基金などと合わせた上限が、月6.8万円から7.5万円に

イデコの掛金は、月5,000円から、1,000円単位で決められます。

イデコは、いつ受け取れる?

イデコのお金は、原則として60歳から受け取れます。受け取りを始める時期は、75歳になるまでの間で選べます。

  • 一時金として、まとめて受け取る
  • 年金として、5年以上20年以下の期間で受け取る
  • 一時金と年金を組み合わせる(取り扱っている金融機関もあります)

60歳から受け取るには、60歳になるまでにイデコに入っていた期間などが10年以上必要です。10年に足りない場合は、受け取れる年齢が後ろにずれます。

60歳以上ではじめてイデコに入った人は、入ってから5年たつと受け取れます。

イデコの受け取り方

原則60歳から、75歳までの間に受け取りを始めます。

60代から始めるときに、確かめたいこと

「60代から始めても、意味があるの?」と思う方もいるかもしれません。
入ったほうがいいかどうかは、働き方や所得、お金を使いたい時期によって、人それぞれです。
60代から始めるときは、次の4つを確かめてから決めましょう。

60代からイデコを始めるときの4つのチェック

60代から始めるときは、入れるか・いつ受け取れるか・税金のメリット・手数料を確かめましょう。

① そもそも、自分は入れる?(年金だけの人は特に)

いまのルールでは、60代でイデコに入れるのは、主に次の人です。

  • 会社員・公務員など(厚生年金に入って働いている人)
  • 国民年金に任意加入している、60歳以上65歳未満の人

そのため、仕事をやめて、年金だけで暮らしている人は、いまのルールでは、国民年金に任意加入していなければ、イデコに入れません。
また、老齢基礎年金などを繰り上げてもらっている人は、入れません。

2026年12月からは、70歳未満まで入れるようになりますが、老齢基礎年金を受け取っていないことなどが条件です。
くわしい条件は、イデコの窓口の金融機関(運営管理機関)にたずねてください。

② すぐには受け取れない(入ってから5年)

60歳以上ではじめてイデコに入った人は、入ってから5年たつと受け取れます。
たとえば、63歳ではじめて入った人は、68歳から受け取れる計算です。

イデコのお金は、途中で引き出すことはできません。
近いうちに使う予定のあるお金は、イデコに入れないようにしましょう。

③ 税金のメリットは、所得や税率で変わる(パートの人・年金だけの人)

掛金が所得から引かれるメリットは、所得税や住民税をどれだけ払っているかで変わります。
厚生労働省も、実際に安くなる税金の金額は、所得や税率などによってちがう、と説明しています。

  • 課税所得(税金がかかる所得)がない人は、掛金の所得控除を受けられません
  • パートや年金だけの人でも、所得税も住民税もかかっていなければ、掛金の税金のメリットはありません

ご自分の住民税の通知書や、年金の源泉徴収票で、税金がかかっているかを確かめてみてください。

④ 手数料がかかり、運用で減ることもある

イデコには手数料がかかります(金融機関によってちがいます)。
また、投資信託などの運用商品は、元本(出したお金)を下回ることもあります。

入る前に、金融機関の手数料を確かめておきましょう。

まとめ

イデコで大事なことは、次のとおりです。

  • イデコは、自分で掛金を出して、自分で運用する年金。原則として60歳まで引き出せない。受け取る金額は運用で変わる
  • 掛金は全額が所得控除。ただし、課税所得がない人は控除を受けられない
  • 会社員で自分の口座から払っている人は、証明書(例年10月下旬に発行)を年末調整の書類につけて出す
  • 給料から掛金が引かれている人は、自分での手続きはいらない
  • 自営業の人などは、確定申告で控除を受ける
  • 2026年12月から、70歳未満まで入れるようになる(条件あり。2029年11月末までの経過措置あり)
  • 掛金の上限も引き上げられる
  • 60代から始めるときは、①入れるか(年金だけの人は特に)②受け取れるのは入ってから5年後 ③税金のメリットは所得や税率で変わる ④手数料、の4つを確かめる

年末調整の書類を出す前に、イデコの証明書が手元にあるか、確かめてみてくださいね。

「今さら聞けない お金と家のキホン」シリーズ

今さら聞けない お金と家のキホン シリーズ

人に聞くのはちょっと恥ずかしい、お金と家のしくみを、「そもそも何?」からお話しするシリーズです。

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次