こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。
年金をもらっている方のところに、秋になると日本年金機構から「扶養親族等申告書(ふようしんぞくとうしんこくしょ)」という書類が届きます。
「毎年届くけど、出さないといけないの?」
「去年は届かなかったのに、今年は届いた」
「書類が入っていなくて、スマホで出してくださいと書いてある」
こんなふうに思った方も多いのではないでしょうか。
実は、今年(2026年)は、この書類を出す必要がある人が広がりました。
税金のルールが変わったためです。
大事なことは、次の5つです。
- 扶養親族等申告書は、年金にかかる税金を、家族の分などで安くしてもらうための書類。会社員の年末調整の書類の、年金版のようなもの
- 今年から、年金から所得税が引かれていない人でも、出す必要がある場合がある(住民税の計算に使われるため)
- 出す必要があるのは、扶養している夫・妻・親などがいる人や、本人が障害者・寡婦・ひとり親にあてはまる人。どれにもあてはまらなければ、出さなくてOK
- 提出期限は、届いた時期によって 2026年10月20日 か 11月30日。期限を過ぎても出せる
- 昭和36年1月2日以降に生まれた人には、紙の申告書は入っておらず、スマホなどで出す案内が届いている
この記事では、年金をもらっている方が、この書類を出すかどうか、どう書くかを、図でやさしくお話しします。
同じ内容を、YouTubeの動画(約11分)でもお話ししています。読むより聞くほうが楽な方は、こちらもどうぞ。
【2026年10月時点】この記事を読んでほしい人
- 日本年金機構から、扶養親族等申告書(またはその案内)が届いた人
- 年金をもらっていて、夫・妻・親などを扶養している人
- 去年までは届かなかったのに、今年は届いた人
ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ひとつでもあてはまれば、今年の申告書は要チェックです。
扶養親族等申告書ってなに?
年金も、給料と同じように、所得税と住民税がかかります。
年金の金額が多い人は、年金が振りこまれるときに、所得税が先に引かれています。
このとき、扶養している家族がいる人や、本人が障害者などにあてはまる人は、税金を安くしてもらえます(これを「控除(こうじょ)」といいます)。
でも、日本年金機構は、あなたの家族のことを知りません。
そこで、「私には、こういう家族がいます」と知らせるのが、扶養親族等申告書です。
会社員が年末調整のときに出す「扶養控除等申告書」の、年金版のようなものだと考えるとわかりやすいと思います。
- 書いた内容は、来年(2027年)の年金から引かれる所得税の計算に使われます
- さらに、お住まいの市区町村にも伝えられ、住民税の計算にも使われます

申告書に書いた家族の情報は、所得税と住民税の両方に使われます。
なお、書類の名前は「令和9年分」となっています。
これは、2027年に受け取る年金の分という意味です。今年の分ではないので、まちがえないようにしてくださいね。
なお、この記事は、日本年金機構から届く申告書のお話です。
2026年は、出す必要がある人が広がった
ここが、今年いちばんのポイントです。
これまでは、主に年金から所得税が引かれている人が、この書類を出していました。
今年は税金のルールが変わり、年金から所得税が引かれていない人でも、住民税がかかる人は、出す必要がある場合があります。
日本年金機構は、年金の金額が次の人に、申告書(または案内)を送っています。
| 年金の金額(1年分) | 65歳未満 | 65歳以上 |
|---|---|---|
| 所得税が引かれる人 | 164万円以上 | 214万円以上 |
| 所得税は引かれないが、住民税がかかるかもしれない人(今年から) | 98万円以上164万円未満 | 148万円以上214万円未満 |
※ 年齢は、2027年12月31日時点です
※ 住民税がかからない金額は、お住まいの市区町村によって少しちがいます(65歳未満は98万〜105万円、65歳以上は148万〜155万円)

今年から、所得税が引かれていない人にも届くようになりました。
届く時期と、提出期限
届く時期と提出期限は、年金の金額によってちがいます。
| 年金の金額(1年分) | 届いた時期 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 65歳未満で164万円以上、65歳以上で214万円以上 | 2026年9月7日〜9月30日 | 2026年10月20日 |
| 65歳未満で98万円以上164万円未満、65歳以上で148万円以上214万円未満 | 2026年10月5日〜10月30日 | 2026年11月30日 |

10月に届いた人は、11月30日が提出期限です。
昭和36年1月2日以降に生まれた人は、紙が入っていない
昭和36年(1961年)1月2日以降に生まれた人には、紙の申告書は入っていません。
代わりに、スマホやパソコンで出す方法の案内が届いています。
「書類が入っていない!」と、あわてなくて大丈夫です。
期限までにスマホなどで出さなかった人には、2026年11月以降に、あらためて紙の申告書が送られてくる予定です。
また、去年スマホなどで出した人や、「ねんきんネット」で紙をやめる登録(ペーパーレス化)をした人にも、紙は届きません。マイナポータルのお知らせや、ねんきんネットのメールで案内が届きます。
出さなくていい人
次の3つすべてにあてはまる人は、申告書を出さなくてOKです。
- 本人が、障害者・寡婦・ひとり親にあてはまらない
- 扶養している夫・妻・親・子などがいない(下の「目安」をこえる所得がある家族は、扶養に入りません)
- 退職金をもらう予定の夫・妻・親・子などを扶養していない

3つすべてにあてはまれば、出さなくて大丈夫です。
出さなくても、だれでも受けられる「基礎控除」は、ちゃんと受けられます。安心してくださいね。
ほかにも、申告書が届いた人でも、年金の金額が、お住まいの市区町村の住民税の「単身者の非課税限度額」より少ない人は、出す必要はありません。
夫・妻を書くときの目安
夫・妻を書けるのは、夫・妻の1年間の所得の見こみが95万円以下の場合です(法律上の夫婦で、生活費をいっしょにしている場合)。
「所得」は、収入そのものではなく、収入から決まった金額を引いたものです。
夫・妻の所得によって、受けられる控除が変わります(本人の所得の見こみが900万円以下の場合)。
| 夫・妻の所得の見こみ | 受けられる控除 |
|---|---|
| 62万円以下 | 配偶者控除(夫・妻が70歳以上なら、控除の額が大きくなる) |
| 62万円をこえて95万円以下 | 配偶者特別控除(70歳以上でも、控除の額は同じ) |
| 95万円をこえる | 控除の対象外 |
夫・妻の収入が年金だけなら、次の金額以下であれば、所得は62万円以下にあてはまります。
| 夫・妻の年齢 | 年金だけの場合の目安 |
|---|---|
| 65歳以上 | 年金が172万円以下 |
| 65歳未満 | 年金が122万円以下 |
申告書の夫・妻の欄には、この目安にあてはまるときに○をつける欄があります。

夫・妻の収入が年金だけなら、65歳以上は172万円以下で配偶者控除の対象です。
- 70歳以上とは、2027年分は昭和33年1月1日以前に生まれた人です
- 本人(年金をもらっている人)の所得の見こみが 900万円をこえる場合は、年金から引かれる所得税では、夫・妻の控除は受けられません(夫・妻が障害者の場合の障害者控除をのぞく)。ただし、本人の所得が1,000万円以下で、夫・妻の所得が133万円以下なら、確定申告で受けられます
ここでいう「年金」は、老齢年金や企業年金など、税金がかかる年金です。遺族年金や障害年金は、税金がかからないのでふくみません。
親・子などを書くときの目安
夫・妻以外の家族(親・子・孫・兄弟姉妹など)を書けるのは、その家族の1年間の所得の見こみが62万円以下の場合です。
去年までは58万円以下だったので、4万円上がりました(19歳〜22歳の子などは85万円以下)。
- 親が 70歳以上(昭和33年1月1日以前に生まれた人)だと「老人扶養親族」になり、控除の額が大きくなります
- 申告書には、その方といっしょに暮らしているか(同居)、別に暮らしているか(別居)を○でつける欄があります
- 別に暮らしている方を書くときは、裏面の「摘要」欄に、その方の名前と住所を書きます

親の所得が62万円以下なら、扶養に入れられます。70歳以上は控除が大きくなります。
(会社で働いている方の年末調整でも、同じように扶養の目安が上がっています。60歳をすぎて働く人の年末調整の記事でくわしくお話ししています。)
出し方は「スマホ」か「紙」
スマホ・パソコンで出す(電子申請)
マイナンバーカードとスマホがあれば、マイナポータルから「ねんきんネット」を使って出せます。
- 24時間いつでも出せる
- 郵送の手間や切手代がいらない
- 去年の内容が、はじめから入っているので、入力がかんたん
- 出したあとに、内容を確かめたり、直したりできる
スマホなどで出したら、紙の申告書は出さなくてOKです。
紙で出す
紙の申告書に書いて、封筒に切手を貼って郵送します。
切手が必要なので、気をつけてくださいね。
紙の申告書が手元にないときは、日本年金機構のホームページからダウンロードするか、「ねんきん自動音声送付受付サービス」に電話して送ってもらえます。

スマホなら切手もいらず、去年の内容も入っています。
期限を過ぎてしまったら
期限を過ぎても、申告書は出せます。スマホなどでも出せます。
期限までに出さないと、年金から所得税が引かれるときに、家族の分などの控除が受けられません。
でも、あとから出せば、さかのぼって所得税を計算しなおしてもらえます。
「期限を過ぎたから、もういいや」とあきらめずに、気づいたら早めに出しましょう。
わからないときの問い合わせ先
- 日本年金機構のホームページの「扶養親族等申告書相談チャット」
- 扶養親族等申告書お問い合わせダイヤル:0570-081-240(ナビダイヤル)
– 受付時間:月曜日 8:30〜19:00、火〜金曜日 8:30〜17:15、第2土曜日 9:30〜16:00(第2土曜日以外の土日・祝日、12月29日〜1月3日はお休み)
– 050から始まる電話からかけるときは、03-6837-9932
電話するときは、基礎年金番号、照会番号、マイナンバーがわかるものを手元に用意しておくと、話がスムーズです。
障害者にあてはまるかどうかなど、税金のことは税務署にも聞けます。
まとめ
- 扶養親族等申告書は、年金にかかる税金を、家族の分などで安くしてもらうための書類。会社員の年末調整の年金版
- 2026年は、年金から所得税が引かれていない人でも、出す必要がある場合がある(住民税のため)
- 扶養している家族がいない、本人が障害者などにもあてはまらないなら、出さなくてOK
- 提出期限は 10月20日 か 11月30日。期限を過ぎても出せる
- 夫・妻の収入が年金だけなら、65歳以上は172万円以下、65歳未満は122万円以下が目安
- 親などは、所得62万円以下が目安(去年より4万円アップ)
- 昭和36年1月2日以降生まれの人には紙が入っていない。スマホで出すか、11月以降に届く紙で出す
毎年同じように届く書類ですが、今年はルールが変わった年です。
「うちは関係ない」と思わずに、届いた書類を一度ひらいて、家族のことを確かめてみてくださいね。

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