こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。
親が亡くなって、実家や土地を相続したとき、名義をそのままにしていませんか?
実は、2024年4月から、相続登記(そうぞくとうき)が「義務」になりました。
大事なことは、次の4つです。
- 相続したと知った日から3年以内に、登記をする
- 2024年3月までに相続した分も対象(期限は2027年3月31日)
- 正当な理由がないのにしないと、10万円以下の過料
- すぐにできないときは「相続人申告登記」という方法もある
「昔に相続した実家、親の名義のままかも…」という人は、期限まであと半年ほどです。
この記事では、相続登記とは何か、何をすればいいのかを、図を使ってやさしくお話しします。
私が宅建を勉強しようと思った、きっかけのひとつ
私が宅建の勉強を始めたきっかけのひとつは、実家の相続について考えないといけない年齢になったことです。
相続や登記のことは、FPの勉強でもひととおり学びました。でも、家や土地のことは、もっとくわしく知っておきたいと思いました。
家や土地の話は、金額も大きく、専門的な言葉も多いものです。よく分からないまま、相手の言うとおりに進めてしまって、あとで損をした…ということにはなりたくありませんでした。だからこそ、人まかせにせず、自分で判断できるようになりたいと思ったのです。
勉強してみて分かったのは、家や土地には「名義」があるということ。
そして、親が亡くなったあとに名義を変える「相続登記」が、いまはやらなければいけない手続きになっている、ということです。
同じように、これから親の家や土地を相続するかもしれない人に、ぜひ知っておいてほしいと思い、この記事を書きました。
【2026年10月時点】この記事を読んでほしい人
- 親が家や土地を持っている人(これから相続するかもしれない人)
- すでに親の家や土地を相続したけれど、名義を変えていない人
- 実家が、亡くなった親や祖父母の名義のままかもしれない人
ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ひとつでもあてはまれば、この記事は必見です。
相続登記ってなに?
家や土地には、「だれのものか」を記録する帳簿があります。これを「登記簿(とうきぼ)」といいます。法務局という国の役所で管理されています。
親が亡くなって、家や土地を子どもが受けついだら、登記簿の持ち主の名前も親から子どもに書きかえる必要があります。
これが「相続登記」です。

たとえるなら、家や土地の「名札」を、新しい持ち主の名前につけかえる手続きです。
なぜ義務になったの?
これまで、相続登記はしなくても罰はありませんでした。
そのため、名札がつけかえられないまま、何十年もたってしまう土地がたくさん出てきました。
こうして、登記簿を見ても持ち主が分からない土地を「所有者不明土地」といいます。
法務省によると、全国の所有者不明土地を合わせると、九州の大きさに匹敵するともいわれています。
持ち主が分からないと、
- 草や木がのび放題になり、近所の人が困る
- 道路や災害の工事を進めたくても、持ち主を探すのに時間とお金がかかる
- 土地を売ったり買ったりできない
といった問題がおきます。
そこで、2021年に法律が変わり、2024年4月1日から、相続登記が義務になりました。

いつまでにすればいいの?期限は2つ
期限は、相続したことを知ったのがいつかで変わります。

- 2024年4月1日以降に知った人:不動産を相続したと知った日から3年以内
- 2024年3月31日までに知った人:2027年3月31日まで
ここが大事なポイントです。
義務化の前に相続した家や土地も、対象になります。
たとえば、10年前に親が亡くなって、実家の名義をそのままにしている人も、2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。
また、親が家や土地を持っていたかどうか分からない場合は、その不動産を相続したと知るまでは、義務はスタートしません。
しないとどうなるの?
正当な理由がないのに相続登記をしないと、10万円以下の過料(かりょう)の対象になります。
過料とは、ルールを守らなかったときに払うお金のことです。
ただし、いきなり過料になるわけではありません。流れは次のとおりです。

- 法務局の登記官が、義務を守っていない人を見つけると、「登記をしてください」という知らせ(催告書)を送ります
- 期限までに登記をせず、正当な理由もないときは、登記官が裁判所に知らせます
- 裁判所が判断して、10万円以下の範囲で過料が決まります
「正当な理由」とは、たとえば次のような場合です。
- 相続する人がとても多くて、戸籍を集めたり、相続人を調べたりするのに時間がかかる
- 遺言が有効かどうかなどで、相続人どうしが争っている
- 自分が重い病気
- お金がなくて、登記の費用が払えない
過料のほかにも、相続登記をしないままだと、家や土地を売れない、さらに時間がたつと次の相続がおきて、相続人がどんどん増えて話がまとまりにくくなる、といった困りごともあります。
相続登記は、どうやってするの?
大まかな流れは、次の4つのステップです。

ステップ1:どんな不動産があるか調べる
まずは、親がどこに、どんな家や土地を持っていたかを調べます。
2026年2月2日から、「所有不動産記録証明制度(しょゆうふどうさんきろくしょうめいせいど)」が始まりました。亡くなった親が持ち主として登記簿にのっている不動産を、法務局が一覧にして証明してくれる制度です。
- 全国の法務局で、窓口・郵送・オンラインで請求できます
- 手数料は、検索の条件1件につき1通1,600円(書面で請求する場合)
- 登記簿の名前や住所が、検索の条件とちがうと、リストにのらないことがあります
「田舎に、親も忘れていた土地があった」ということもあるので、見落としを防ぐのに役立ちます。
ステップ2:戸籍などの書類を集める
亡くなった親の、生まれてから亡くなるまでの戸籍などを集めて、だれが相続人かを確かめます。
ここで便利なのが、「法定相続情報証明制度(ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど)」です。
集めた戸籍の束と、家族の関係を表した図(法定相続情報一覧図)を法務局に出すと、その図の写しを無料でもらえます。
この写しは、相続登記のほか、預金の手続きや年金の手続きなどにも使えるので、戸籍の束を何度も出さずにすみます。
ステップ3:家族で話し合う(遺産分割)
だれが家や土地を受けつぐかを、相続人みんなで話し合って決めます。これを「遺産分割(いさんぶんかつ)」といいます。
話し合いで決まったら、その内容に合わせて登記をします。
なお、遺産分割で家や土地を受けついだ場合は、話し合いがまとまった日から3年以内に、その内容の登記をすることも義務になっています。
ステップ4:法務局に申請する
家や土地がある場所を受け持つ法務局に、申請書と書類を出します。窓口に持っていくほか、郵送やオンラインでも申請できます。
すぐにできないときは「相続人申告登記」
「家族の話し合いがまとまらない」「3年以内に間に合いそうにない」という人のために、相続人申告登記(そうぞくにんしんこくとうき)という、かんたんな方法ができました。

- 「私は、この不動産の持ち主の相続人です」と法務局に申し出るだけで、義務を果たしたことになります
- 相続人のうち1人だけでも申し出ができます(ほかの相続人の分もまとめて申し出ることもできます)
- 自分が相続人だと分かる戸籍などがあればよく、提出する書類が少なくてすみます(相続人全員を確かめなくてよい)
- 登録免許税(とうろくめんきょぜい)がかかりません
- インターネットのブラウザからも申し出ができます
ただし、注意点もあります。
- 申し出た人だけが、義務を果たしたことになります(全員分にしたいときは、全員が申し出るか、まとめて申し出ます)
- 家や土地を売るときなどは、あらためて相続登記が必要です
- 話し合い(遺産分割)がまとまったあとの登記は、相続人申告登記ではすませられません
あくまで「期限にまにあわせるための、とりあえずの方法」と考えておきましょう。
費用はどのくらい?今なら免税も
相続登記には、登録免許税という税金がかかります。
土地の場合、本来は土地の価額の0.4%がかかります。
ただ、いまは2027年3月31日までの免税措置があります。

- 価額が100万円以下の土地の相続登記は、登録免許税がかかりません(全国の土地が対象)
- 相続した人が、相続登記をしないまま亡くなった場合、その人の分の相続登記は、登録免許税がかかりません
免税を受けるには、申請書に決められた法律の条項を書く必要があります。書かないと免税にならないので、気をつけましょう。
このほかに、戸籍などを取る費用がかかります。司法書士に頼む場合は、その報酬も必要です。
困ったときの相談先

- 法務局の手続案内:申請書の書き方などを教えてもらえます。予約制で、1回20分以内。電話・窓口・ウェブ会議から選べます
- 司法書士:手続きを代わりにしてもらうこともできます。日本司法書士会連合会の「相続登記相談センター」(予約受付:0120-13-7832、平日10時〜16時)
- 法テラス:どこに相談すればよいか分からないときの案内(サポートダイヤル:0570-078374)
自分でやるのがむずかしいと感じたら、早めに専門家に相談しましょう。
まとめ
- 相続登記は、家や土地の名札を、新しい持ち主の名前につけかえる手続き
- 2024年4月から義務に。相続したと知った日から3年以内
- 2024年3月までに相続した分も対象。期限は2027年3月31日
- 正当な理由なくしないと、10万円以下の過料
- 間に合わないときは、相続人申告登記でとりあえず義務を果たせる
- 100万円以下の土地は免税(2027年3月31日まで)
親の家や土地は、いつか必ず向き合うことになります。
「まだ先のこと」と思わずに、まずは実家の名義がだれになっているか、確かめるところから始めてみてください。
相続した実家を売ることになったら、仲介手数料のルールも知っておきましょう。こちらの記事でくわしくお話ししています。

コメント
コメント一覧 (2件)
[…] → 【2026年版】親の家・土地がある人は必見!相続登記の義務化とは?期限は… […]
[…] 相続登記の義務化については、こちら → 【2026年版】親の家・土地がある人は必見!相続登記の義務化とは?期限は… […]