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こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。
「親から相続した土地、使う予定もないし、売れそうにもない…」
「遠くの土地の草刈りに通うのが、だんだんつらくなってきた」
「いらない土地を、国に引き取ってもらえるって聞いたけど、本当?」
こんなふうに思ったことはありませんか。
そもそも「相続土地国庫帰属制度(そうぞく とち こっこ きぞく せいど)」ってなに?
このブログは、そんな「今さら人に聞けない」を、いっしょに確かめる場所です。
この記事では、この制度を「そもそも何?」から、使える人・使えない土地、かかる費用、申請の流れまで、法務省の資料をもとに、やさしくお話しします。
【2026年11月時点】この記事を読んでほしい人
- 親から相続した土地を、使う予定も、売る予定もない人
- 遠くにある土地の、草刈りや管理に困っている人
- これから実家や土地を相続しそうで、そのあとが心配な人
ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ひとつでもあてはまれば、この制度を知っておきましょう。
そもそも、相続土地国庫帰属制度ってなに?
相続した土地を、国に引き取ってもらう制度
相続土地国庫帰属制度は、相続などで土地を取得した人が、法務大臣に申請して、条件を満たせば、その土地を国に引き取ってもらえる制度です。
「国庫に帰属する」とは、かんたんにいうと「国のものになる」という意味です。
この制度は、2023年(令和5年)4月27日に始まりました。
なぜ、できたの?
法務省のパンフレットでは、次のように説明されています。
- 土地を相続したものの、手放したいと考える人が増えている
- 望まずに土地を相続した人の負担感が増し、土地の管理が行き届かなくなっている
- そこで、所有者が分からない土地が生まれるのを防ぐために、この制度がつくられた

条件を満たせば、相続した土地を国に引き取ってもらえます。
使える人・使えない人
使えるのは「相続」で土地を取得した人
この制度を使えるのは、相続、または相続人への遺贈(いぞう:遺言で財産をゆずること)で、土地を取得した人です。
- 制度が始まる前に相続した土地も、対象です。法務省は「数十年前に相続した土地も対象」と説明しています
- 売買など、相続以外で取得した土地は、基本的に使えません
共有の土地は「全員で」申請
兄弟姉妹などと共有で相続した土地は、共有している人全員で申請すれば使えます。
法務省のQ&Aでは、共有者のうち1人でも反対すると、申請できないとされています。
申請できない土地・承認されない土地
この制度は、どんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。
法律で、「そもそも申請できない土地(却下)」と、「審査で承認されない土地(不承認)」が決められています。
そもそも申請できない土地(5つ)
- 建物がある土地
- 担保権(抵当権など)や、ほかの人が使う権利が設定されている土地
- 通路など、ほかの人が使う予定がある土地
- 土壌汚染されている土地
- 境界(となりの土地との境目)がはっきりしない土地や、持ち主や範囲について争いがある土地
審査で承認されない土地(5つ)
- 一定の勾配・高さのがけがあって、管理にたいへんな費用や手間がかかる土地
- 管理のじゃまになる物(工作物・車・樹木など)が、地上にある土地
- 取り除かないといけない物が、地下にある土地
- となりの土地の持ち主などと、裁判などで争わないと管理できない土地
- そのほか、ふつうに管理するのに、たいへんな費用や手間がかかる土地

申請できない土地が5つ、承認されない土地が5つ決められています。
実家の土地は「家を壊してから」
実家を相続した人に、とくに知っておいてほしいのが、1つ目の「建物がある土地」です。
法務省のQ&Aでは、今、建物がある土地は申請できないとされています。登記されていない建物でも同じです。
原則として、建物を取り壊してから申請することになります。
つまり、家が建ったままの実家は、そのままでは国に引き取ってもらえません。
実家の空き家をどうするか考えるときは、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
- 空き家を放っておくと、固定資産税が上がることがあります → 実家が空き家の人は必見!放っておくと固定資産税が約4倍に?
- 売るという方法もあります → 相続した実家を売るなら必見!空き家の3,000万円特別控除とは?
- 安い空き家を売るときの仲介手数料 → 安い実家・空き家も売りやすく!仲介手数料が最大33万円になったワケ
家を取り壊すときの見積もりは、解体業者を紹介してくれるサービスで頼むこともできます(広告)。
費用はいくら?「審査手数料」と「負担金」
この制度を使うには、2つのお金がかかります。
① 審査手数料:1筆14,000円
申請するときに、審査手数料を払います。
- 金額は、土地1筆(いっぴつ)あたり14,000円です
- 申請書に収入印紙をはって払います
- となり合った土地をまとめて申請しても、合算はできません(2筆なら28,000円)
- 申請を取り下げたときや、却下・不承認になったときも、返ってきません
「筆(ひつ)」は、土地を数えるときの単位です。登記簿(土地の記録)では、1筆ごとに1つの土地として記録されています。
② 負担金:1筆20万円が基準
審査で承認されたら、負担金を払います。
負担金は、その土地を国が管理する10年分の費用にあたるお金です。払うのは、承認されたときの1回だけです。
金額は、1筆20万円が基準です。
ただし、次のような土地は、面積に応じて20万円より高くなります。
| 土地の種類 | 負担金 |
|---|---|
| 宅地 | 原則20万円(面積にかかわらない) ただし、市街化区域・用途地域の中の宅地は、面積に応じて計算 |
| 田・畑(農用地) | 原則20万円(面積にかかわらない) ただし、市街化区域・用途地域の中の農地などは、面積に応じて計算 |
| 森林 | 面積に応じて計算 |
| そのほか(雑種地・原野など) | 20万円(面積にかかわらない) |
面積に応じて計算する場合の例は、次のとおりです(法務省のパンフレットの例)。
| 市街化区域・用途地域の中の宅地 | 負担金 |
|---|---|
| 50㎡ | 411,000円 |
| 100㎡ | 548,000円 |
| 200㎡ | 793,000円 |
| 400㎡ | 1,243,000円 |
| 森林 | 負担金 |
|---|---|
| 750㎡ | 254,000円 |
| 1,500㎡ | 273,000円 |
| 3,000㎡ | 299,000円 |
自分の土地が「市街化区域」や「用途地域」にあたるかは、土地のある市区町村のホームページなどで確かめられます。
法務省のホームページには、負担金の自動計算シートものっています。

審査手数料(1筆14,000円)と負担金(1筆20万円が基準)の2つがかかります。
となり合った土地は、まとめて計算できる
となり合った2筆以上の土地で、同じ種類の土地なら、申し出をすると、1つの土地として負担金を計算してもらえます。
負担金は30日以内に。払わないと承認が取り消しに
- 負担金は、通知が届いた日の翌日から30日以内に、銀行などで払います(法務局の窓口では払えません)
- 期限までに払わないと、承認の効力がなくなります。もう一度使いたいときは、最初から申請し直しです
- 負担金を払った時点で、土地は国のものになります
申請の流れ(4ステップ)
ステップ1:法務局に相談する(予約制)
- 相談は予約制です(法務局手続案内予約サービス)
- 1人1日1回、30分以内です
- 土地のある都道府県の、法務局・地方法務局の本局に相談します(遠くて難しい場合は、近くの法務局でも相談できます)
ステップ2:申請書を出す
- 出す先は、土地のある都道府県の法務局・地方法務局の本局(不動産登記部門)です。支局・出張所では受け付けていません
- 窓口か郵送で出します。インターネットやメールでは出せません
- 申請書づくりを、お金を払って頼めるのは、弁護士・司法書士・行政書士だけです
- 境界がはっきりしないときは、土地家屋調査士に相談するよう案内されています
ステップ3:審査を待つ(8か月ほど)
- 法務局の職員が、現地を調べに来ることもあります
- 審査にかかる期間は、8か月ほどとされています(もっとかかる場合もあります)
ステップ4:承認されたら、負担金を払う
- 承認されると、負担金の通知が届きます
- 30日以内に払うと、土地が国のものになります

相談 → 申請 → 審査(8か月ほど)→ 負担金を払って完了。
数字で見る:実際にどれくらい使われている?
法務省が公表している統計(2026年9月30日時点の速報値)では、次のようになっています。
| 件数 | |
|---|---|
| 申請 | 6,125件 |
| 国に引き取られた(帰属) | 3,231件 |
| 却下(申請できない土地だった など) | 86件 |
| 不承認 | 103件 |
| 取り下げ | 1,162件 |
申請の内訳は、田・畑が2,372件、宅地が2,135件、山林が928件、そのほかが690件です。
取り下げ1,162件のうち、595件は「有効に使える見込みが出てきた」という理由です。法務省は、例として次のようなものをあげています。
- 自治体や国の機関が、使うことになった
- となりの土地の持ち主が、引き受けると申し出た
- 農業委員会の調整で、農地として使われる見込みになった
却下でいちばん多い理由は「添付書類の不足」(37件)、不承認でいちばん多い理由は「地上に工作物・車・樹木などがある」(49件)でした。

2026年9月末までに、3,231件の土地が国に引き取られています(速報値)。
まず確かめたい3つのこと
「うちの土地はどうだろう?」と思ったら、まずは次の3つを確かめてみてください。
- 建物がないか(家や小屋が建っていると、申請できないことがあります)
- 境界がはっきりしているか(となりの土地との境目が分かるか)
- 共有している人全員が、賛成しているか
そのうえで、土地のある都道府県の法務局(本局)に、相談の予約をしてみましょう。

建物・境界・共有者の3つを確かめてから、法務局に相談しましょう。
なお、親から土地を相続したら、相続登記(名義を自分に変える手続き)も忘れずに。2024年4月から義務になっています。
→ 親の家・土地がある人は必見!相続登記の義務化とは?
まとめ
相続土地国庫帰属制度で大事なことは、次のとおりです。
- 相続などで取得した土地を、条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度(2023年4月27日から)
- 制度が始まる前に相続した土地も対象。共有の土地は全員で申請
- 建物がある土地は申請できない。実家は、原則として家を壊してから
- 費用は、審査手数料1筆14,000円(返ってこない)と、負担金1筆20万円が基準(市街地の宅地や森林などは面積で計算)
- 審査は8か月ほど。負担金を払った時点で、国のものに
- 取り下げの中には、となりの人が引き受けてくれたなどの例も
「売れない」「使わない」親の土地に悩んでいる方は、まずは法務局に相談するところから始めてみてくださいね。


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