こんにちは。FP2級を持ち、59歳で宅建に合格した kyoko です。
「親が亡くなって、実家がだれも住まない家になった」
「どうするか決められないまま、何年もそのままにしている」
こんな人は、少なくないと思います。
実は、空き家を手入れしないまま放っておくと、土地の固定資産税(こていしさんぜい)が上がることがあります。
市のホームページでは、約4倍になることもあると紹介されています。
大事なことは、次の4つです。
- 家が建っている土地は、固定資産税が安くなるしくみがある
- 2023年12月から、手入れが足りない空き家(管理不全空家)も、市町村から注意を受けるようになった
- 注意を受けても直さずに「勧告(かんこく)」を受けると、安くなるしくみが使えなくなり、土地の税金が約4倍になることも
- ふだんから手入れをしていれば、空き家というだけで税金が上がるわけではない
この記事では、なぜ税金が上がるのか、どうすれば防げるのかを、図を使ってやさしくお話しします。
【2026年10月時点】この記事を読んでほしい人
- 実家が空き家のまま、何年もたっている人
- 遠くに住んでいて、実家の様子をなかなか見に行けない人
- 親がひとり暮らしで、いつか実家を相続するかもしれない人
ひとつでもあてはまる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ひとつでもあてはまれば、この記事は必見です。
固定資産税ってなに?
固定資産税とは、土地や家を持っている人が、毎年はらう税金です。
住んでいなくても、持っているだけでかかります。
はらう先は、その土地や家がある市町村です(東京23区は東京都)。
空き家になった実家でも、持ち主であれば、毎年はらう必要があります。
家が建っていると、土地の税金が安くなる
家が建っている土地には、固定資産税を安くするしくみがあります。
これを「住宅用地の特例(じゅうたくようちのとくれい)」といいます。

| 土地の広さ | 固定資産税の計算のもと |
|---|---|
| 200㎡までの部分 | 土地の値打ちの6分の1 |
| 200㎡をこえる部分 | 土地の値打ちの3分の1 |
たとえば、200㎡(約60坪)までの土地なら、土地の値打ちの6分の1だけに税金がかかる、ということです。
つまり、家が建っているおかげで、土地の税金がとても安くなっているのです。
ところが、空き家の手入れをしないまま放っておくと、この特例が使えなくなることがあります。
2023年12月から、空き家のルールが変わった
空き家については、「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律があります。ここでは「空家法(あきやほう)」とよびます。
もともとあったルール:特定空家
2015年から、たおれそうなほど危ない空き家や、ゴミなどで、まわりの人にめいわくをかけている空き家は、市町村が「特定空家(とくていあきや)」とすることができるようになりました。
新しくできたルール:管理不全空家
2023年12月13日からは、このまま放っておくと、特定空家になりそうな空き家も、「管理不全空家(かんりふぜんあきや)」として、市町村から注意を受けるようになりました。
国土交通省は、管理不全空家を「特定空家の予備軍」と説明しています。
たとえば、窓やかべがこわれたままになっているなど、手入れが足りない空き家のことです。
税金が上がるまでの流れ
いきなり税金が上がるわけではありません。
市町村から何度か連絡があり、それでも直さなかったときに、税金が上がります。

- 市町村が、手入れが足りない空き家だと判断する(管理不全空家、または特定空家)
- 「助言(じょげん)・指導(しどう)」を受ける
「こういうふうに直してください」と、市町村からお願いされます - 直さないでいると、「勧告(かんこく)」を受ける
ここで、住宅用地の特例が使えなくなります(土地の税金が上がる) - 特定空家の場合は、さらに直さないと「命令(めいれい)」を受けます
命令にしたがわないと、50万円以下の過料(かりょう)(罰としてはらうお金)をとられることがあります - それでも直さないと、市町村が代わりに取りこわすことがあります(代執行(だいしっこう))
取りこわしのお金は、持ち主に請求されます
大事なのは、「勧告」を受けると、税金が上がるということです。
勧告の前には、必ず「助言・指導」があります。市町村から連絡がきたら、そのままにしないことが大切です。
土地の税金は、どれくらい上がるの?
住宅用地の特例が使えなくなると、土地の税金は6分の1ではなくなります。
「それなら6倍になるの?」と思いますよね。
でも、国のしくみで、特例がないときの計算のもとは、土地の値打ちの70%までにおさえられます。
そのため、200㎡までの部分なら、6分の1が「70%まで」になる、およそ4.2倍が目安です。

市のホームページでも、次のように紹介されています。
- 京丹後市:200㎡までの部分は約4.2倍、200㎡をこえる部分は約2.1倍(目安)
- 静岡市・東大阪市:約4倍
- 神戸市:3.5倍くらい
たとえば、土地の固定資産税が1年に3万円だった場合、約4.2倍だと1年に約12万6千円になります。
1年で約9万6千円も多くはらうことになり、それが毎年つづきます。
※上がり方は、土地の広さや、それまでの税金の額などで変わります。くわしい金額は、土地がある市町村に聞いてみてください。
空き家というだけで、税金が上がるわけではない
ここまで読んで、「実家が空き家だから、もう税金が上がっているかも」と、心配になった人もいるかもしれません。
でも、安心してください。
神戸市のホームページにも、特例が使えなくなるのはすべての空き家ではないと書かれています。
きちんと手入れをしている空き家なら、空き家というだけで税金が上がるわけではありません。
ただし、市町村によっては、こわれていて人が住めない家や、取りこわす予定の家なども、特例が使えなくなることがあります。
気になるときは、市町村に聞いてみましょう。
税金を上げないために、できること
① 定期的に、空き家の手入れをする
国土交通省は、空き家の持ち主向けに「空き家管理チェックリスト」を出していて、定期的な手入れをすすめています。
たとえば、次のようなことです。

- 窓を開けて、風を通す(しめきると、湿気で家がいたみやすい)
- 庭の木や草を切る(となりの家や道路にのびないように)
- 屋根・かべ・窓がこわれていないか見る(こわれていたら早めに直す)
- 冬は、水道の元栓(もとせん)をしめる(寒さで水道管がこわれないように)
ほかにも、流しやトイレにときどき水を流す、しき地のそうじをする、郵便物を整理することも、チェックリストにのっています。
② 自分で行けないときは、たのむ
遠くに住んでいたり、体力的にむずかしかったりするときは、空き家の管理をしてくれる会社や、修理をしてくれる会社にたのむ方法もあります。
③ 「売る」「貸す」「取りこわす」も考える
いつまでも空き家のままにしておくと、手入れの手間も、税金も、ずっとかかりつづけます。
使う予定がないなら、売ることも考えてみましょう。
相続した実家を売るときは、条件を満たせば、もうけから最大3,000万円を差し引ける特例があります(2027年12月31日まで)。
くわしくは、こちら → 【2026年版】相続した実家を売るなら必見!空き家の3,000万円特別控除とは?期限は2027年12月31日まで
なお、取りこわして更地(さらち)にすると、家が建っていないので、住宅用地の特例は使えなくなります。
取りこわすかどうかは、売る予定とあわせて考えるのがおすすめです。
困ったときの相談先
- 市町村の空き家の窓口:空き家の手入れのしかたや、市町村からの連絡のこと
- 市町村の固定資産税の窓口:土地の税金がいくらになるか
- 不動産会社:売ったり貸したりしたいとき
- 司法書士:相続の手続きや登記のこと
まとめ
- 家が建っている土地は、住宅用地の特例で、固定資産税が6分の1(200㎡まで)に安くなっている
- 2023年12月から、手入れが足りない空き家は「管理不全空家」として、市町村から注意を受けるようになった
- 指導されても直さずに「勧告」を受けると、特例が使えなくなる
- 土地の税金は、約4倍(目安)に上がることがある
- きちんと手入れをしていれば、空き家というだけで税金は上がらない
- 使う予定がないなら、売ることも考える(3,000万円の特例は2027年12月31日まで)
実家を相続したら、まずは相続登記も忘れずに。2024年4月1日から義務になっています。
相続登記については、こちら → 【2026年版】親の家・土地がある人は必見!相続登記の義務化とは?期限は最短で2027年3月31日

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